「中川紀子展 自らを見つめる」を観て

先日も当サイトで告知いたしましたが、会員さんの個展がありました。

『 中川紀子展 自らをみつめる 』
〇日時
2016年5/28(土)~6/3(金)
11:00~19:00
〇場所
懐廊(画廊&音楽堂)
大阪市中央区谷町7-4-23

無事に終了したようです。

太極拳 個展IMG_3219

 

私も観に行きましたが、この「懐廊」というのがなかなか凄い場所にありまして、一気に昭和の匂いがドップリな路地裏にあります。そもそも、戦火を免れたおかげで随分と時代を感じる建物が多く残る「空堀」という街並み。ノスタルジィな空気がとてもイイ感じです。

今回は「自らを見つめる」というテーマに基づいて、「懐廊」の空間すべてがそのものになっています。上下左右前後内外・・・胎内洞を思わせる空間演出ですが、胎内洞窟を天然自然の「先天」とすれば、人の手による文明・文化・生活のたまものである「民家」はまさに「後天」。ひとたびこの世に生を得た後の道程であります。後天を経て先天に回帰する・・・まさに太極拳、いや内丹術というべきでしょうか。

かのユング(スイスの精神科医・心理学者)も易経や内丹術については造詣が深く、心理学、精神医学にとっても内丹術は荒唐無稽な存在でありません。ユングは「われわれは無意識を理解することによって、無意識による支配から解放される。内丹術を修練する人間は、あらゆる外的・内的な錯綜から自分を解放する方法を教えられる。」と述べているのです。

太極拳 個展IMG_3223お話を伺うと、今回は「無為自然」がひとつのキーワードであり、圧倒的な広さと絶対的な深さをもって海洋にも喩えられる識域下による表現に挑戦されています。特に書はその端的な象徴として空間内に置かれており、筆行きの妙をもって無為自然を表しています。

 

 

 

 

 

 

太極拳 個展IMG_3224

 

そして印象的だった「布石」。説明無用ですが、易や太極拳、東洋思想をかじっていれば心に響く言葉です。
太極拳 個展IMG_3222

 

それだけでは一見、何の意味もないように見えますが、

 

太極拳 個展IMG_3225

目に見えるモノだけではなく、それはあらゆるものとつながりをもっていると考えればおのずと解ってくる

 

 

太極拳 個展IMG_3227

老子曰く「陰はそれだけでも存在できるが、陽は陰なくして存在しえない」と言っていたような気がします。陰陽思想においては宇宙生成の際に先ず「太極」と呼ばれる、何も物事が定まっていない混沌の状態があり、そこから最初に現れたのが「陰」であったとされています。「陽」はその後に現れたものとされており、それをもって「陰」のほうが尊い、と。囲碁では黒が尊ばれるのはそのため。

 

 

 

 

 

 

 

基本的には「ライブ」であり、写真や文章では到底及ぶべくもない。
次回の個展にはぜひ足を運んでもらいたいですね。

太極拳 個展IMG_3218

 

 

 

よく見ると土壁に落書きがある。どなたかの作品(?)らしい。

太極拳 個展IMG_3229